一口に薄毛といっても、年齢や性別によって原因は様々です。自分の薄毛の原因を正しく知ることができれば、効果的な治療や対策による改善が期待できます。
そこで今回は薄毛の原因として考えられるものをいくつかピックアップするとともに、それぞれの原因への対策についても解説します。
■薄毛の原因①男性ホルモン
薄毛の原因としてよく知られているものに男性ホルモンがあります。男性ホルモンの一種であるテストステロン自体は男性の身体を健康に保つために必要なものなのですが、毛乳頭などにある5αリダクターゼという酵素と結びつくとジヒドロテストステロンに変化します。このジヒドロテストステロンが問題で、この男性ホルモンが毛包のホルモン受容体と結合すると、毛髪のヘアサイクルが乱れてしまうのです。
ヘアサイクルが乱れると毛髪は十分に成長できなくなり、細く抜けやすくなってしまいます。厄介なのは、ジヒドロテストステロンのもとになるテストステロンと5αリダクターゼはもともと体内に存在する物質で、除去することは不可能です。
プロペシアなどのAGA治療薬は5αリダクターゼの働きを阻害してテストステロンがジヒドロテストステロンに変化するのを防ぎ、それによってヘアサイクルを正常化して薄毛を改善していきます。
■薄毛の原因②遺伝
薄毛は遺伝すると昔からいわれていますが、それは間違いではありません。薄毛はジヒドロテストステロンとホルモン受容体が結合することで進行しますが、ホルモン受容体の数が多いほど薄毛の発症率は高まります。そして、ホルモン受容体の数は遺伝子レベルで決まることが分かっています。
今のところ遺伝子レベルでの治療は確率されていないので、プロペシアなどのAGA治療薬で5αリダクターゼの働きを抑えることや、生活習慣の改善によるヘアサイクルの正常化が主な対策となります。
■薄毛の原因③生活習慣の乱れ
食生活の偏りや睡眠不足、運動不足などの生活習慣の乱れも薄毛の原因となります。生活習慣が乱れると頭皮環境の悪化によって毛髪に十分な栄養がいかなくなったり、ヘアサイクルが乱れるなどして薄毛を招く恐れがあります。また、生活習慣の乱れに加えてストレスもホルモンバランスの乱れを起こして薄毛の原因となる可能性があります。
以上のことから、タンパク質やビタミン、ミネラルなどを意識的に摂取してしっかりと睡眠をとり、過度の飲酒や喫煙は控えて適度な運動でストレス発散をするなどしましょう。
心身の健康は毛髪の健康にも影響することを覚えておいてください。
■薄毛の原因は男女で異なる
薄毛の原因は男女で異なり、男性の場合は主に男性ホルモンが原因ですが、女性の場合は女性ホルモンの減少や強いストレス、ダイエットによる栄養不足や、エアスプレーやカラーリング剤による頭皮へのダメージが考えられます。また、ヘアセットによる摩擦や引っ張ることによって薄毛が発症することもあります。
女性の場合は、生活習慣とヘアケアの見直しを行うと薄毛の改善が期待できます。
■薄毛の原因は年齢でも違いがある
薄毛の原因は年齢でも異なり、20代の方の場合は糖分や脂肪が多い食事を好んだり、徹夜や昼夜逆転などの生活習慣の乱れから薄毛となるケースがほとんどです。遺伝などの原因で若くしてAGAを発症する場合もありますが、まずは生活習慣の改善が先決です。
30代や40代の方はAGA発症のリスクが高まる傾向があるとともに、過度な飲酒や喫煙、ストレスなどによる血行不良で薄毛が起こるケースが多々あります。50代以降となると加齢によってヘアサイクルも若い時ほどではなくなり、毛髪の成長もしにくくなる傾向があります。
いずれにせよ、まずは食生活の見直しや適度な運動によるストレス発散、十分に睡眠をとることを行いましょう。AGA治療が必要な方は、生活習慣の見直しをしながら専門のクリニックに通うことをおすすめします。