円形脱毛症の原因は精神的ストレスではなく、遺伝子タイプにあった

円形脱毛症とはどのような病気かと聞かれたら、あなたはどのようなイメージを想像するでしょうか?

多くの方は、強いストレスを感じることによって頭髪が円形に脱毛してしまう病気だというイメージをお持ちだと思います。

これは間違いではありませんが、正解だとも言い切れません。

円形脱毛症の研究が進むにつれて、精神的ストレス以外にも、遺伝子タイプによって発症する可能性があることが分かってきました。

この病気によって悩み、苦しんでいる方は思いのほか多くいらっしゃるので、そういった方々に対する理解を深めるためにも、円形脱毛症とはどういったものなのか、発祥の原因に遺伝子タイプがあるとはどういったことなのかについて解説していきます。

 

■円形脱毛症の様々なタイプ

円形脱毛症の一般的なイメージは頭髪の1か所が円形に脱毛するものだとされていますが、これは単発型といわれているタイプで、大抵の人はこのタイプに当てはまるとされています。

実は円形脱毛症には様々なタイプがあり、単発型の他にも次のタイプがあります。

 

(多発型)

頭髪の2カ所以上が円形に脱毛する。

(蛇行型)

首筋近くの後頭部や見身の周りの側頭部、その他に額の上など、頭髪の生え際が帯状に脱毛する。

(全頭型)

円形脱毛症が重症化すると、頭髪の全てが抜けてしまう全頭型になる可能性がある。

(汎発型)

頭髪だけでなく、眉毛やまつげ、ひげや陰毛など全身の毛が抜けてしまう。

 

単発型は発症しても特に自覚症状がなく、美容師など他人に指摘されることで初めて気づくパターンがほとんどです。

それに対して全頭型や汎発型など重度の円形脱毛症の場合は、ごくまれに脱毛前に皮膚の痛みやかゆみを感じることもあるようですが、特に予兆もなくほとんどの頭髪が抜けてしまう、または全身の毛が抜けてしまうことが大半です。

 

■円形脱毛症になりやすいタイプとは?

円形脱毛症になりやすいタイプには、性別や年齢は関係あるのでしょうか?

大阪大学医学部皮膚・毛髪再生医学寄付講座の特任教授によると、円形脱毛症の発症率に目立った男女差はないようです。

また年齢についても、赤ちゃんから高齢者まで幅広い年齢層で発症例があることから、性別や年齢は円形脱毛症との関連性が薄いと考えられます。

実は、円形脱毛症になりやすいかどうかは、年齢や性別といった目で見て分かる部分ではなく、目に見えない部分に原因があることが分かってきました。

 

■発症の原因は遺伝子タイプにあった

今までは円形脱毛症の原因は精神的ストレスにあるとされていましたが、そもそも現代社会においてストレスが全くない人などほぼ存在していないうえに、ストレスによって発症するという科学的根拠がありません。

では何が発症原因なのかというと、最新の研究ではHLAというヒト白血球型抗原の遺伝子タイプが深く関わっているとされています。

HLAにはいくつか型があり、その中に円形脱毛症になりやすい型があります。

ただし、この型を持っていると円形脱毛症の発症リスクが高まるとはいえ、必ず発症するわけではありません。

発症の引き金には、インフルエンザや風邪などの感染症や、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー、さらに出産や疲労などの身体的ストレスがあるといわれています。

これらの要因で発症のトリガーが引かれると、普段は病原体から体を守っている免疫が自分自身を攻撃するようになってしまい、それによって毛根がダメージを受け、円形脱毛症が発症するとされています。

 

■円形脱毛症の治療法

日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2017年度版によると、円形脱毛症の治療法はステロイド局所注射と、局所免疫療法の2つが推奨されています。

脱毛範囲が頭皮の4分の1以下であれば、ステロイドを患部に直接注射するステロイド局所注射が効果的のようです。

その後は、薬によって免疫をバランスを変えてHLAの働きを抑え込む局所免疫療法に移行します。

これらの治療を行って毛髪が生えてくるのは個人差がありますが、人によっては数年かかる場合もあるため、根気強く治療をすることが重要です。

 

■治療のためのメンタルケア

円形脱毛症は治療を開始してから髪が生えてくるまでに長い時間が必要なケースがあり、再発するケースもあります。

毛髪は抜けることは本人にとって大きなストレスになるため、メンタルケアや周囲の理解が非常に重要です。

このようなことから、悩みを一人で抱え込むのではなく、患者会などで同じ悩みを抱えている人達と気持ちを分かち合う機会を持つなど、心の支えを見つけることが大切です。

 

   
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